2010年9月17日金曜日

持ち物検査!

毎週金曜の15~17:00はGAMEの時間として、それぞれ生徒はサッカー、バレーボール、ダンスなどをして時間を過ごしている。

そんな今日の金曜の昼下がり、抜き打ちの持ち物検査が行われた。

学校の規則として、児童はドミトリー(宿舎)に自分専用の箱などを持ち込む事は禁止されている。私物できちんと保管したい場合は職員室に預けないといけない規則らしい。
が、結果、かなりの児童がダンボールや、木材で作った手製の木箱を隠し持って私物を保管していた。

木箱と言っても相当な出来栄えである。開閉式の扉。金具をつけてちゃんと南京錠で鍵までかけていた。各々、思い思いの絵もペイントされていた。さすがCarpentryとSign Writingの職業訓練の授業やってるだけはあると思わず感心してしまった。

確かにひとりひとりに配られる固形石鹸、授業のノート、ペンなどを箱なしで自分で管理せぇっちゅうのもかなり酷であるが、規則は規則。全ての箱は回収・処分された。

しかし問題は、木箱を作るのに使っている木材、釘などの入手経路および、その箱の中身である。
木材、釘、鍵用の金具はCarpentryの教室の材料置き場からこっそり拝借したものだ。そして中身は、スタッフで共有している携帯充電器、授業で使う彫刻刀&筆、先生の教本など。これらは児童が授業中やスタッフルームの掃除中に盗ったものだ。かなりの手癖の悪さに正直ショックであった。

更生学校の児童の現実を目の当たりにした気がする。普段はそこらへんにいる子どもと変わらない10代の少年たち。時々、こいつらほんまに今まで悪さしてた子らなんかと疑うぐらいだ。先生の言うことの聞かず反発ばかりする日本の不良生徒のほうがよっぽど性質が悪いと。しかしそれは表向きの顔で、やはり中身はまだまだrehabiritateされなくてはならないのだ。

赴任してからのこの1ヶ月、考えてみると自分のことで精一杯だった。生活環境を整え、生活リズムをつくり、授業の内容を考え、ケニア人の先生文化に慣れると称し、一緒に昼寝したり。。。かなりケニア人らしく、またはそれ以上にpolepole(ゆっくり、のんびり)やらしてもらってた気がする。

でも今日、自分が児童の表面しか見てなかったんやと気づけた。今までは児童がふざけてても、ちょっと仮病使ってサボろうとしてても、掃除サボってても「おい、ちゃんとやらんかっ!」と軽く言うだけだった。それで言うことを聞く児童もいる。でも多くの場合はnatural speedのスワヒリ語での言い訳。何言ってるか分からん時も「sawa sawa(OK OK)」と言って流すときもあった。

こんな時、ケニア人の先生は"kiboko(棒)"、"masikio(耳)"といった罰を与える。kibokoは棒で児童のケツに思いっきり本気で5発、masikioは前屈し頭を股の下から出し、太ももの裏から自分の耳を掴ませるという罰だ。児童はこのkiboko、masikioが大嫌い。kibokoは本気で痛いと思う。masikioの体勢は頭に血が上りかなりきつい。でも児童は苦痛なれしてるようで、喉もと過ぎれば熱さ忘れるで、数日後、また同じ事してしばかれている。

3年間の更生学校を終えた後は、kibokoを持って正してくれる先生はいない。
しかし、俺はkibokoよりもmasikioよりも、𠮟るときももっと本質を突いて、児童が何でそういう事をしたのか、それが何であかん事なんか、を伝えていきたい。